近年、ただ長生きするだけでじゃなく「健康で長生きする」健康寿命を延ばすことへの関心が高まっています。
今回は、その流れの中で注目されている「フレイル」について紹介します。
働く世代も注意!「フレイル」とは?
フレイルとは日本老年医学会が提唱した概念で、加齢によって心身の機能が低下し、健康と要介護の中間に位置する状態を指します。
Frailtyが語源となっており、日本語訳は「虚弱」です
一般的にフレイルは高齢者に起こるものと考えられがちですが、近年では働く世代にもフレイル予備群が増えていることが問題になっています。
仕事や家事、育児などで忙しく、運動不足や栄養不足になりやすく、ストレスも溜まりやすい働き世代は、フレイルのリスクを高めてしまうのです。
働く世代こそフレイル対策に取り組むべき理由
働く世代は現在のことで精一杯で、未来のことまで考えられないという人も多いでしょう。
しかし、早い内からフレイルに注意したほうが良いのには理由があります。
1. 将来の介護リスクが高まる
フレイルは、介護が必要になるリスクを高めます。厚生労働省の調査によると、フレイルの割合が10%増加すると、介護保険の被保険者数が約20万人増加すると推計されています。
2. 生活の質が低下する
フレイルは、疲れやすくなる、歩行速度が遅くなる、転倒しやすくなるなど、日常生活に支障をきたす症状を引き起こします。
3. 死亡リスクが増加する
フレイルは、死亡リスクも高めます。ある研究によると、フレイルの割合が10%増加すると、死亡リスクが約10%増加するとされています。
4. 医療費の増加に繋がる
フレイルは、医療費の増加にもつながります。フレイルの予防と早期発見・早期対応は、医療費の抑制にも効果があると考えられています。
5. 社会への影響
フレイルは、個人だけでなく、社会全体にも影響を与えます。フレイルの増加は、介護人材不足や医療費の増加などの社会問題を引き起こす可能性があります。
あなたは大丈夫?フレイルのチェックポイント
フレイルは以下の5つの項目をチェックすることで簡易的に判断できます。
- 体重減少(過去1年間に体重が2kg以上減った)
- 握力低下(男性28kg未満、女性18kg未満)
- 歩行速度の低下(400mを6分以上で歩く)
- 疲労感(疲れやすくなったと感じる)
- 活動量の低下(以前より活動量が減ったと感じる)
フレイルのチェックリスト
これらの項目のうち、3つ以上当てはまる場合はフレイルの可能性があります。
フレイルの予防と対策は早期発見・早期対応が肝心
フレイルは予防と早期発見・早期対応が重要です。
まず現時点でフレイルのチェック項目に当てはまる場合は、早めに医療機関や自治体の健康相談窓口に相談しましょう。
日常でできるフレイルの予防
フレイルを予防するには、以下の生活習慣を心がけると良いとされています。
- 適度な運動:ウォーキングやジョギング、筋トレなど、自分に合った運動を習慣化しましょう。
- バランスの良い食事:タンパク質やビタミン、ミネラルなどをしっかりと摂取しましょう。
- 十分な睡眠:睡眠不足は心身の機能低下を招きます。
- ストレス解消:ストレスを溜め込まないように、リフレッシュできる時間を作るようにしましょう。
フレイルの予防
働く世代がフレイル対策に取り組む重要性
フレイルは、介護が必要になるリスクを高めるだけでなく、生活の質の低下にもつながります。
働く世代がフレイルを予防することで、健康寿命を延ばし、仕事を長く続けられるようにすることができます。
また、フレイル予防は個人の健康を守るだけでなく、医療費の抑制にもつながります。
同様に企業にとっても、従業員の健康を維持することは生産性の向上や人材確保につながる重要な課題です。
まとめ:まだ先のこと…と考えずにフレイルを予防しましょう
フレイルは、高齢者だけでなく、働く世代も注意が必要な問題です。日頃から運動や食事、睡眠などに気を配り、フレイルの予防に取り組みましょう。
フレイルに関する情報は、厚生労働省や自治体のホームページなどもで詳しく確認できますので、この期に読んでみることをおすすめします。