古くから日本の伝統的な飲み物として親しまれてきた甘酒。近年ではその栄養価の高さが再認識され、美容や健康に効果的な「飲む点滴」として注目されています。
現代ではお正月やお花見の季節の飲み物というイメージの強い甘酒ですが、実は古来から夏の滋養強壮に効く飲み物として知られ、夏の季語にもなっています。
本格的な暑さを迎える前に、甘酒の効果や生活への活かし方を知っておきましょう。
ちなみに甘酒には、米麹を発酵させて作る麹甘酒と、酒粕をお湯で溶いて砂糖などで甘みを付けた酒粕甘酒がありますが、ここでは米麹由来の麹甘酒についてまとめています。
甘酒の主な栄養素と効果
「飲む点滴」と呼ばれる甘酒には、多くの種類の栄養素が含まれています。
代表的な甘酒の栄養素と効果は以下の通りです。
美肌効果と代謝アップのビタミンB群
甘酒には、ビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB1はエネルギー代謝を促進し、疲労回復効果が期待できます。
ビタミンB2は肌のターンオーバーを促進し、ニキビや肌荒れを防ぎます。また、ビタミンB6は皮脂分泌をコントロールし、毛穴のつまりを改善する効果が期待できます。
コラーゲン生成を促進するコウジ酸
甘酒には、アミノ酸の一種である「コウジ酸」が含まれています。コウジ酸は、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑制し、シミやくすみの予防に効果があります。また、コラーゲンの生成を促進する効果もあり、ハリのある若々しい肌へと導きます。
フェルラ酸の抗酸化作用でアンチエイジング
甘酒には、ポリフェノールの一種である「フェルラ酸」が含まれています。フェルラ酸は、抗酸化作用が強く、活性酸素による細胞のダメージを防ぎます。活性酸素は老化の原因となるため、フェルラ酸の働きによってアンチエイジング効果が期待できます。
オリゴ糖が腸内環境を整え美肌へ
甘酒には、善玉菌を増やす効果のあるオリゴ糖が含まれています。オリゴ糖は、腸内環境を整え、便秘解消や免疫力アップに効果があります。腸内環境が整うことで、肌荒れなどのトラブルが減り、美肌へと導きます。
満足度の高さでダイエットにも効果的
甘酒は、低カロリーで栄養価の高い飲み物です。食物繊維が多いので、朝食代わりに飲むことで、満腹感を得やすく、ダイエット効果が期待できます。エネルギー源になるブドウ糖も含まれており、甘みがあるので食事制限のストレスも抑えられます。
また、甘酒に含まれるビタミンB群は、基礎代謝をアップさせる効果もあります。
むくみとストレスの解消にもおすすめ
甘酒に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出し、むくみ解消に効果があります。
また甘酒には、神経の働きを安定させてストレス解消に効果があるマグネシウムも含まれています。
甘酒の作り方
良いことずくめの甘酒は市販もされていますが、実は家庭で簡単に作ることができます。
電気炊飯器を使った基本的な作り方をご紹介します。
- 米麹:200g
- ご飯:200g
- お湯:600ml
材料
- ご飯を炊飯器で炊きます。
- 炊飯器のご飯が炊き上がったら、保温状態のまま30分ほどおきます。
- ご飯が少し冷めたら、ボウルに移し、ほぐします。
- 米麹をほぐし、ご飯に混ぜ合わせます。
- お湯を少しずつ加えながら、全体をよく混ぜます。
- 炊飯器の保温容器に5を入れ、蓋をして保温します。
- 8時間ほど保温したら完成です。
作り方
甘酒造りのポイント
米麹は、粒が大きいものよりも、細かいものの方が甘酒が作りやすいです。
ご飯は、白米でも玄米でもどちらでも構いません。
お湯は、50~60℃くらいに温めてから使うと、米麹の酵素が活性化しやすくなります。
保温時間は、炊飯器によって異なるので、様子を見ながら調整してください。
甘酒ができあがったら、すぐに飲むか、冷蔵庫で保存してください。
甘酒を使ったレシピ
夏は冷やして、冬は温めて&ellip;。そのまま飲んでも美味しい甘酒ですが、ヨーグルトやスムージーに混ぜたり、料理に活用したりするのもおすすめです。
甘酒の優しい甘味が料理に深みを与え、栄養価もアップします。ここでは、甘酒を使った簡単レシピをいくつかご紹介します。
1. 甘酒鶏肉ソテー
- 鶏もも肉:1枚
- 甘酒:大さじ2
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- サラダ油:適量
材料
- 鶏肉は余分な脂肪を取り除き、一口大に切ります。
- 甘酒、醤油、みりんを混ぜ合わせ、鶏肉を30分ほど漬け込みます。
- フライパンにサラダ油を熱し、漬け込んだ鶏肉を焼きます。
- 両面に焼き色がついたら完成です。
作り方
2. 甘酒豚汁
- 豚肉:200g
- 根菜類(大根、にんじん、ごぼうなど):適量
- 豆腐:1/2丁
- 甘酒:200ml
- 水:400ml
- 味噌:大さじ2
- ごま油:適量
材料
- 豚肉は食べやすい大きさに切ります。
- 根菜類は乱切りにします。
- 豆腐はさいの目切りにします。
- 鍋にごま油を熱し、豚肉を炒めます。
- 根菜類を加えて炒め、全体に油が回ったら水と甘酒を加えます。
- 煮立ったら火を弱め、アクを取り除きます。
- 豆腐を加えて温め、味噌を溶き入れます。
- 具材に火が通ったら完成です。
作り方
3. 甘酒蒸しパン
- ホットケーキミックス:100g
- 甘酒:100ml
- ベーキングパウダー:小さじ1/2
材料
- ボウルにホットケーキミックス、甘酒、ベーキングパウダーを入れてよく混ぜます。
- 型に流し込み、蒸し器で15分ほど蒸します。
- 竹串を刺してみて、何もついてこなければ完成です。
作り方
4. 甘酒スムージー
- バナナ:1本
- ヨーグルト:100g
- 甘酒:大さじ2
- 牛乳:100ml
材料
- バナナ、ヨーグルト、甘酒、牛乳をミキサーに入れて混ぜます。
- グラスに注いで完成です。
作り方
上記以外にも、甘酒を使ったレシピはたくさんあります。ぜひ、インターネットなどで検索してみてください。
まとめ:「飲む点滴」甘酒パワーを日常にチャージ!
甘酒は、美容や健康に効果的な栄養素が豊富に含まれた「飲む点滴」です。毎日の生活に取り入れることで、美肌やアンチエイジング、ダイエットなど、様々な効果が期待できます。
ぜひ、甘酒を毎日の習慣に取り入れて、内側から輝く美しさへと導きましょう。