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要介護のリスクを減らす!?お風呂の効果を解説

要介護のリスクを減らす!?お風呂の効果を解説

夏の時期は湯船につからずシャワーだけで済ませる人が増えています。「忙しくて湯船につかる時間がもったいない…」と感じたことはありませんか?

しかし、湯船につからないあなたは損をしています。
実は、湯船には将来の要介護リスクの回避に期待できる効果があるのです。さらに血液循環を促進させたり、筋肉の緊張をやわらげリラックス効果も期待できます。

【この記事でわかること】

  • 湯船につかることで要介護リスクを軽減できる 入浴による効果
  • 正しい入浴の方法

日本人は古来からお風呂が好き

日本のお風呂は、飛鳥時代から始まった寺院での蒸し風呂です。
お風呂に入ることは「七病を除き、七福が得られる」と説かれており、健康のためにお風呂に入る習慣が日本で始まりました。

現代ではよく目にする銭湯ですが、銭湯は江戸時代に登場しました。銭湯が登場するまでは、腰から下の半身浴が主であり、肩まで浸かれるお風呂は無かったのです。

銭湯は、多くの江戸っ子達が利用するようになり、お風呂に入る習慣が確立されました。銭湯が登場したことで日本人はお風呂がより好きになったのです。

シャワーだけで済ませて湯船につからないのは損?

シャワーだけで済ませて湯船につからないのは損?

先に結論を書いてしまうことになりますが、入浴をシャワーだけで済ませると、要介護リスクが湯船につかる人と比べて高くなり、損をしています。

近年は、生活の欧米化によりシャワーだけで済ませる人が増えており、秋・冬は10人に1人、夏・春は5人に1人がシャワーのみです。もちろん時間がなかったり、疲れてしまったため、シャワーだけで済ませてしまう日もあるでしょう。

しかし、千葉大学大学院医学研究科の八木明夫らによると、湯船につかる頻度が週7日以上の高齢者は、週2回以下しか湯船につからない高齢者と比較して、要介護認定リスクが約30%低いと報告しています。

出典:JournalofEpidemiology 2019

湯船につからない方は、湯船につかる方と比較して血液循環が促進されないため動脈硬化を起こしたり、筋肉が固まってしまったり、毎日ストレスがたまりやすくなったりします。動脈硬化になると血液が固まり血栓が形成され、脳梗塞脳出血などを起こすリスクにつながります。

毎日10分程度の時間で要介護リスクを回避し健康的に生活できる期間が伸びるため、湯船につかることは重要なのです。

しかし、いきなり毎日湯船につかることを習慣化するのは難しいですよね。まずは、週に1日湯船につかる日を決めて挑戦してみましょう。慣れてきたら湯船につかる日を増やしていくと習慣化ができますよ。

毎日数十分の入浴で要介護リスクを回避できる

先ほども解説しましたが入浴により要介護リスクを回避できます。その理由は入浴による3つの作用です。

作用 効果
温熱作用 38~40度のお湯に10~15分程度、湯船につかることで副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、末梢血管が拡張されたり、心拍数が減少したり、精神的に落ち着くためリラックス効果に期待できます。
浮力作用 お湯の中では体重が約9分の1の重さになり、筋力の負担が軽減されます。負担が軽くなると筋肉の緊張がやわらぎ、疲労回復効果に期待できます。
水圧作用 湯船につかると体には水圧が加わります。水圧が加わり血管が刺激されることで、全身の血液循環が促進され、血行が良くなります。

3つの効果により、動脈硬化の予防や、筋肉が固まってしまうことを事前に予防して、要介護リスクの回避につながるのです。

健康に良い入浴の方法とは

健康に良い入浴の方法とは

健康に良い入浴の方法は38~40度のお湯に10~15分程度つかることです。38~40度は湯船につかると少しぬるいくらいの温度です。10分程度つかることで、副交感神経が優位となり、下記の作用が得られます。

  • 末梢血管の拡張
  • 血液循環量が増加し心拍数の減少
  • 呼吸数の減少
  • 消化吸収の促進

もし42度以上のお湯につかると交感神経が優位になります。就寝前に入ること多いお風呂で交感神経が優位になると、目が冴えてしまい睡眠の質が低下するため健康的ではありません。

湯船につかることは重要ですが、長時間になるとのぼせたり、脱水になったりと危険が伴います。また、冬場はお風呂場と脱衣所の気温の差が大きくなりやすいです。気温の差があると血圧が一気に変動し、失神や脳梗塞を起こすヒートショック現象につながることも。

そのため、長時間湯船につかるのは控えておきましょう。冬場は温度差を少なくするために、入浴前から脱衣所をヒーターなどで温めておくと、ヒートショック現象の対策が可能です。

湯船につかる時間を決めて、長期的に健康な状態を維持していきたいですね。

まとめ: 入浴習慣で健康な未来を

入浴習慣で健康な未来を

今回は、お風呂が要介護のリスクを減らすことについて解説しました。

湯船につかることで温熱作用、浮力作用、水圧作用がありましたね。この3つの作用により、血液循環の促進、筋肉の緊張がやわらぎリラックス効果や要介護のリスクを回避できます。

湯船につかる習慣がある方は、湯船につからない方と比較して約30%要介護リスクが低いです。

現在シャワーのみで済ませているあなたも、湯船につかる習慣をつけて健康的に過ごす1歩を踏み出してくださいね。

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