農林水産省がブロッコリーを2026年から新たに「指定野菜」に加えると発表しました。
1974年に馬鈴薯(じゃがいも)が指定野菜となってから、実に50年以上ぶりの新たな指定です。そのため「指定野菜」という言葉自体、このニュースで初めて聞いた人も多いのではないでしょうか?
今回のコラムでは「指定野菜」と「ブロッコリー」について掘り下げると同時に、ブロッコリーの栄養を余すことなく取り入れるレシピもご紹介いたします。
指定野菜とは?
まず指定野菜とはどんな野菜を指し、何のために指定されているのでしょうか?
指定野菜の定義
指定野菜とは、国(農林水産省)が「消費量が多く、国民生活において重要」と位置づけた野菜のことを指します。
現在指定されている野菜は14品目あり、これらが市場への出荷量の8割、栽培面積の70%を占めています。
指定野菜は、国の食糧供給の安定性や品質管理において重要な役割を果たしている野菜なのです。
指定野菜の目的
指定野菜制度の主な目的は、国民の食卓に欠かせない主要な野菜の安定供給を確保することです。
例えば、価格が暴落した場合には、大規模生産者に対して手厚い補助金が支払われる仕組みとなっており、これにより生産者の収入が安定し、栽培継続が可能となります。
生産者を保護することによって、消費者も安定して主要な野菜を購入することができ、双方の利益が守られる政策となっています。
指定野菜の種類
現在の指定野菜には、以下の14種、ブロッコリーを加えると15種が挙げられます。
- 葉茎菜類:キャベツ、ほうれん草、レタス、ネギ、玉ねぎ、白菜、ブロッコリー(2026年追加)
- 果菜類:きゅうり、ナス、トマト、ピーマン
- 根菜類:大根、ニンジン、里芋、ジャガイモ(馬鈴薯)
現在の指定野菜は以上ですが、今後も消費量が多い野菜や、新たな栄養価の高い野菜が追加される可能性があります。
ブロッコリーが指定野菜に選ばれた理由
ブロッコリーが指定野菜に選ばれた理由は、なんといってもこの数十年での消費量の大幅な増加です。
実はブロッコリーは明治時代の初期には日本に伝わっていたと言われます。しかし一般への普及は遅く、第二次世界大戦後に食の洋風化とともに栽培が本格化し、1980年代に急速に広まりました。
直近の30年でブロッコリーの消費量は約2倍に増加し、特に1世帯あたりの購入量も4,453グラムと2013年比で21%増加しています。
また、ブロッコリーは高栄養価で調理が簡単、さらに幅広い料理に対応できるため消費者に広く支持されています。
これらの要因が背景となり、1974年の馬鈴薯以来、約52年ぶりにブロッコリーが新たな指定野菜として加わることになったのです。
余すところなく栄養を!ブロッコリーおすすめレシピ
ブロッコリーの栄養をしっかり摂れるレシピはたくさんありますが、今回は特に栄養価を損なわずに美味しく食べられる3つのレシピをご紹介します。
1. 電子レンジで簡単!ブロッコリーのシンプル蒸し
【材料】
- ブロッコリー: 1株
- 塩: 少々
【作り方】
- ブロッコリーを小房に分け、水気を切る。 耐熱皿に並べ、塩を軽く振る。
- ラップをかけ、電子レンジで2分30秒~3分加熱する。
- 器に盛り付け、お好みでオリーブオイルや塩胡椒をかけて完成。
このレシピのポイント
電子レンジ調理は、ビタミンCなどの水溶性ビタミンが流れ出るのを防ぎ、栄養を逃がさずに調理できます。
短時間で調理できるため、忙しい方にもおすすめです。
2. 彩り豊か!ブロッコリーとツナの炒め物
【材料】
- ブロッコリー: 1株
- ツナ缶: 1缶
- オリーブオイル: 大さじ1
- ニンニク: 1かけ
- 塩コショウ: 少々
【作り方】
- ブロッコリーを小房に分け、塩ゆでして水気を切る。
- ニンニクをみじん切りにする。
- フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて炒め、香りが立ったらブロッコリーを加えて炒める。
- ツナ缶を汁ごと加えて炒め合わせ、塩コショウで味を調えて完成。
このレシピのポイント
ツナ缶の油とニンニクの香りが食欲をそそります。
ツナに含まれるタンパク質とブロッコリーのビタミンがバランス良く摂れます。
3. ポタージュで栄養満点!ブロッコリーとチーズのスープ
【材料】
- ブロッコリー: 1株
- じゃがいも: 2個
- 玉ねぎ: 1/2個
- 牛乳: 300ml
- コンソメキューブ: 1個
- チーズ: 30g
- 塩コショウ: 少々
【作り方】
- ブロッコリー、じゃがいも、玉ねぎをそれぞれ食べやすい大きさに切る。
- 鍋に水とコンソメキューブを入れ、野菜を煮込む。
- 野菜が柔らかくなったら、牛乳とチーズを加えて混ぜる。
- ブレンダーで滑らかになるまで撹拌する。
- 器に盛り付け、塩コショウで味を調えて完成。
このレシピのポイント
ブロッコリーだけでなく、じゃがいもや玉ねぎも一緒に調理することで、様々な栄養素を摂取できます。
チーズを加えることで、コクと風味が増し、より美味しくいただけます。
その他ブロッコリーのおすすめ調理法
炒め物: 豚肉や鶏肉と一緒に炒めると、ボリューム満点の一品になります。
パスタ: ペペロンチーノやクリームパスタにブロッコリーを加えても美味しいです。
オムレツ: オムレツにブロッコリーを混ぜ込むと、彩りが良くなります。
まとめ:指定野菜になったブロッコリーを積極的に食べましょう
人気と美味しさ、栄養の豊富さで指定野菜の仲間入りをしたブロッコリー。
指定野菜となることによって、今後さらに安定して買いやすくなるブロッコリーを、これからも積極的に毎日の食卓に取り入れたいですね。