反響続々! aplodの学術顧問・医学博士の久保明先生が健康の情報と先進の医療についてを分かりやすく解説してくれる人気コラム。
「サイエンスは変化する」シリーズ第6回は「新陳代謝について」。
今回はヒトの身体の部品を入れ替える新陳代謝、その作用のひとつ「オートファジー」にスポットを当てています。
サイエンスは変化する Vol.6
医学博士:久保 明
新陳代謝について
「どうも身体が重い。頭もしゃきっとしないし、新陳代謝が悪いのかもしれない…」などとつぶやいた経験、ありませんか? 久保はあります。
そんな時に思い出すのが“オートファジー”という言葉です。
オートファジーとは?
日本の研究者がオートファジーの研究でノーベル賞を取ったことを覚えていらっしゃる方もおられると思いますが、日本語では“自食作用”などと訳されます。自分自身を食べてしまう、ちょっと怖い感じですね。この場合食べられるのは劣化して身体の様々な機能に使われなくなった細胞です。
さらに細胞だけでなく身体の多くを占めているタンパク質が代謝される過程でもオートファジーが関わっています。こうしてタンパク質や細胞は分解され、必要に応じて再利用されます。
ある面オートファジーはヒトの身体の部品を入れ替えるかわりに体内で新しくしているともいえそうで、新陳代謝の一端を担っているといえそうです。
ポリフェノールを多く含んでいるザクロや漢方薬の補中益気湯はオートファジーを活発化するといわれています。
「オートファジー度」で自分の活性度を測る時代が来る?
ここまで明らかになると自分のオートファジーの程度はどのくらいなのかが気になりますよね。
先進の研究はここまできているようです。数年後には自分の“活性度”の指標の一つに“オートファジー度”が入る時代がくるかもしれません。ついでに“やる気度”もみられると良いのですが。